The Poguesは酔いどれアイルランド人ヴォーカルのシェイン・マウガアンを中心に1982年ロンドンで結成された、アイリッシュ・トラッド・パンク、ケルティック・パンクのバンドです。
The Clashのジョー・ストラマーが、クラッシュ解散後に一時期加入していたバンドでもあります。
バンドの初期にはエルヴィス・コステロのプロデュースを受けたり、後期にはジョー・ストラマーのプロデュースを受けたりしています。
バンドメンバーは出たり入ったりがありますが、だいたい8人。バンジョー、マンドリン、アコーディオン、ピアノ、チェロ、サックス、ハーモニカなど多種の楽器を使い、アイリッシュ・トラッド、ケルト音楽とパンクを融合させたような音楽で、賑やかな曲が多いです。
この「
FAIRYTALE OF NEW YORK」は、1987年にクリスマスソングとして発売された曲です。カースティー・マッコールという女性ヴォーカルとのデュエット曲で、当時全英2位を記録し、バンドを代表する曲の1つで今でも人気が高いです。
バンジョーやギター担当のファイナーはインタヴューで「アイデアが含まれていたけど、楽曲はひどいもんだった、俺はそれを全部シェインに渡したら、彼はそれをブロードウェイ・メロディーをつけて、その曲になった。それは普通のお祭りレコードの類いじゃないけどさ、事実だろ、1年でどんな時よりもクリスマスが一番議論したり離婚したり自殺したりする人が多いってのは」と語る。
曲はピアノから静かに入り、いわゆるクリスマス・ハッピーという感じの曲ではないですが、そこがポーグスらしく、パンク精神が感じられます。
クリスマスだからって幸せな人ばかりじゃない、それをちゃんと見ないでただ浮かれるだけの人にはなりたくないなと思います。
歌詞は物語調になっていて、妻のいる男がクリスマスイヴに牢屋に入って、昔と今の夢をみる、昔は良かったけど今はケンカばかり、、それでも…といったような感じです。酔いどれアイルランド人シェインのヴォーカルがなんとも雰囲気を出していて暗くなり過ぎず、なんだかしょうがねぇなぁという気持ちにさせられます。
”あのシナトラがごきげんで
街では酔いしれた連中がみんな歌っていて
街角でちゅっとキスした俺たちは
朝まで踊ったよな
ニューヨーク警察の合唱隊が
歌い上げる「ゴールウェイ・ベイ」をバックに
教会の鐘も鳴り響いて
クリスマス・デイ
(男)俺には明るい未来があったはずなのに
(女)そんなこと誰にだって言えるわ!
最初に知り合った時に
あなたは私の夢を持って行っちゃったわよ!
(男)その夢を俺は今でも大事に預かっているよ
自分のと一緒にしまっているのさ
俺はどうせひとりでやっていけるような強い男じゃない
君がいなければ夢を持つことさえできないんだ”
(The Pogues「FAIRYTALE OF NEW YORK」より歌詞和訳引用)
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